フェルメール「窓辺で手紙を読む女」画中画のキューピッド

フェルメール初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」。今年注目のその理由はキューピッドの画中画が現れたこと、それが日本で公開されていることにあります。

現在は大阪市立美術館で、「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」のメイン作品として展示されています。

私もさっそく観に行ってきました。

フェルメール「窓辺で手紙を読む女」1657-59年

修復前の画像

当然のことながら、修復前の状態と同時に見比べることができませんが、修復前の模写(展示されている)と比べると、最初に感じたのは「色が鮮やか!」ということです。

キューピッドのあるなしだけではなく、全体の色調が違うので、作品全体の印象も全く変わります。

さらに思ったのは、「フェルメールがどんな考えや思いでキューピッドを描いたのだろうか?」ということでした。

フェルメールの作品には、シンプルを極めたグループと、寓意が込められたものがたくさん描きこまれたグループがあるように思います。

*シンプルを極めた例

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」1665年頃

フェルメール「牛乳を注ぐ女」1658年 – 1660年頃

これは下絵の段階では壁に地図が描いてありましたが、完成時には塗りつぶされています。

これらのシンプルな絵は日本でも人気が高いので、フェルメールというとシンプルで静謐な情景を描く画家、というイメージがあるのかもしれません。

でも、そんな絵だけではないのです。

*寓意たくさんの例

フェルメール「絵画芸術」1666年頃

描かれている物や人、それぞれに意味が込められています。

フェルメールだけではなく、当時オランダで人気の画家たちも同じように、深い意味が込められた絵画をたくさん描きました。

 

「窓辺で手紙を読む女」は、キューピッドが現れたことで、

「(本当は深い意味があるかもしれないけど)シンプルに画面を楽しめる絵画」

から、

「寓意たくさんの絵画」

へと変貌したといえるのではないでしょうか。

そこで、画中画以外に描かれたものや、配色、構図、など様々な角度からその意味や理由を考察してみました。

本当のところは永遠の謎ですが、もしかしたら、と考えて絵を観ると、新しい世界が広がるような楽しさを味わえると思います。

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ご参加お待ちしております。

わさびラボ 松本佳子

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