大阪中之島美術館「モディリアーニ」展内覧会
大阪中之島美術館 開館記念特別展「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」の内覧会に行ってきました。
この展覧会は4月9日(土)から始まっており、内覧会はその前日の8日(金)でした。
2月に新しくオープンした大阪中之島美術館の開館記念特別展で、モディリアーニの作品を堪能できる内容となっています。
プロローグ
まずは会場入り口では、モディリアーニが活動していた20世紀初めのパリの様子がわかるポスターやパネル展示。
次第にその時代にタイムトリップしたような感覚になり、鑑賞に没頭できるようになっています。
第1章 芸術家への道
ここからはモディリアーニの作品を時代と共に鑑賞します。
彼は一時アフリカの彫刻にかなり傾倒していました。彼が描く人物の細長い円筒形の首の原点はここにあるのでしょうね。
また、モディリアーニは、彼の作品を高く評価してくれる友人の肖像画をよく描いています。
短く、病のため苦しいことが多い人生だったけれども、人間関係や愛情には豊かに恵まれたんじゃないかなと、絵画を観て感じました。
第2章 1910年代パリの美術
モディリアーニと同時期にパリで活躍した芸術家たちの作品がバラエティ豊かに楽しめます。
シャガール、ピカソ、マリー・ローランサン、ユトリロ、藤田嗣治など。。。
当時のパリの空気感が伝わってくるようです。
なんとなく、全体に哀愁が漂っているのはモディリアーニだけではなく、時代の雰囲気なのでしょうね。
この章では特に、モディリアーニと日本との関わりが詳しく紹介されています。当時の日本人にも影響を与えていたのだということを初めて知りました。
第3章 モディリアーニ芸術の真骨頂 肖像画とヌード
ここに「ザ・モディリアーニ」というべき作品が集結しています。
モディリアーニの女性像、特に裸婦像をじっくりと堪能できる、濃厚な、凝縮された世界です。
以下の作品が撮影OKです♪
アメデオ・モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」
1917年 大阪中之島美術館
アメデオ・モディリアーニ「少女の肖像」1915年頃
グレタ・ガルボ・ファミリー・コレクション
こちらは伝説的ハリウッド女優、グレタ・ガルボの愛蔵品で、世界初公開です。
まとめ
プロローグから順に観ていくことで、時代の雰囲気を感じ取り、当時の人々の思いを体験できます。
そしてモディリアーニの悲しくも愛に満ちた生涯を知り、その時々に生まれたさまざまな作品を味わう。
展示を観ていくことで一つの映画やドラマを見ているような気持ちになりました。
また、最後の章でのモディリアーニの裸婦は、温かみのある肌色にむっちりと弾力があって立体的な肉付き、蠱惑的な眼差し、その魅力に圧倒されました。これは本物を見てこその感動だと思います。
また、モディリアーニに関連した同時代のパリの画家たちの作品が味わえるのも贅沢な展覧会だと思います。
もう一つの開館記念展 みんなのまち 大阪の肖像(I)
モディリアーニ展の会場は5階ですが、4階ではもう一つの開館記念展「みんなのまち 大阪の肖像(I)」が開催中です。
昔の大阪を知ることができる絵画やポスター、写真などが展示され、こちらもボリュームたっぷりの展示です。
小出楢重や小磯良平など有名な画家の絵画、時代を感じるレトロなポスターなど、バラエティ豊かに楽しめます。
小出楢重「街景」1925年
赤松麟作 「デンドロビウム」大正末期ー昭和初期
大阪市立電気化学館のポスター。フォントが今見てもおしゃれです。
大阪市電気局のポスター。
横書きが右から左です。「迫る寒さに備えませう」。
このレトロな感じ、好きです^^
哀愁漂うモディリアーニとエコール・ド・パリの世界と、昔の大阪の雰囲気と美術を一度に堪能できた、楽しい経験でした。
モディリアーニ展は7月18日(月・祝)まで、「みんなのまち 大阪の肖像(I)」展は7月3日(日)まで開催しています。