あべのハルカス美術館「ギュスターヴモロー」展に行ってきました。

開催初日、ちょうど近鉄文化サロン阿倍野での講座「知って楽しい!西洋美術史」の日だったので、仕事帰りに行けました^^

美術館入り口の側ではイベントがあって賑やかでしたが、一歩会場の中に入るとモローの世界が濃厚に広がっています。

最初はモローが現実の世界で深く関わった二人の女性についての展示。彼女たちの影響が、モローの芸術の源泉となったことは間違いありません。

その後は、神話や聖書に登場する女性を描いた、めくるめくモローの想像の世界。

特にメインビジュアルにもなっているサロメは、彼自身が魅せられた女性のイメージなのでしょう。

彼女の身体のライン、皮膚の質感の美しさには女性の私も見とれます。

それに加えてポーズ、特に腕や手指の構え方が造形的でかっこいいのです。

完成作と合わせて下絵や素描も多く展示されているので、サロメのポーズにモローが細心の注意をはらっているのもよくわかります。

美しくかっこよくポーズを決めるサロメ。その表情をみると、青い目を見開いていて怖いです。

それなのに、たくさんのサロメを見ていくうちに、彼女が神秘的な観音菩薩に見えてくるという不思議。。。

確かにモローが好んで描いたサロメをはじめとする多くの女性たちは、美しいけれども男性を誘惑し、破滅に陥れる恐ろしい存在として知られます。

しかしその女性像は、見方を変えると、男性の思惑とは全くかけ離れたところで自分の思いに忠実に生き、他人に媚びることをしない、圧倒的な強さを持っているといえます。

そのような女性たちにモローは魅せられ、描こうとしていたのではないでしょうか。

美しくて残酷で怖い、でもあくまで気高く神々しい。そんな女性たちを存分に堪能した展覧会でした。

わさびラボ 小林佳子

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