「歴史でわかる科学入門」の「第1章 はじまり」まとめ
「歴史でわかる科学入門」(ウィリアム・F・バイナム著 藤井美佐子訳 太田出版)の読書記録として、少しずつまとめていこうと思います(不定期更新予定)。
「第1章 はじまり」 の要約
・科学は、地球とそれを取り巻く宇宙、つまり全世界に存在する全てのもの(もちろん人類も含まれる)の真実を解き明かすための最良の方法である。
・世界最古の文明であるインダス文明、黄河文明、メソポタミア文明、エジプト文明でも既に科学は用いられていた。最初の科学者はおそらく神官たちだった。
・これらの文明の段階で特に科学的といえる分野は、計算、天文学、医学の3つ。
・まず、計算は、作物を植える時、品物を売り買いする時、建造物を作るときに必要な作業員を過不足なく揃えるためなど、あらゆる状況で「いくつ(あるいは何人)必要なのか」を知るために発達した。
・次に、作物の種まき、植え替え、刈り取りなどを「いつ」するのか、川が「いつ」氾濫するかなどを知るために暦づくりが必要となり、そのために天体の観測が盛んになり天文学が発達する。
・最後に、病気やけがの手当てのために医学が必要となる。特にエジプトでは、王であるファラオの遺体を保存するために、解剖や保存処理の技術が発達した。
しかしどの場合にも、科学は呪術、宗教、技術などと渾然一体となっており、明確に区別されていなかった。
第1章まとめ
科学も宗教や技術などと同様、人間がより幸せに生きるために必要にせまられて生み出されていったもの。
古代では人々の生活に密着していたからこそ、科学だけを別ジャンルとして分けようとはしなかった。
(また、分けるほど発達していなかったからともいえる)
参考文献 「歴史でわかる科学入門」(ウィリアム・F・バイナム著 藤井美佐子訳 太田出版)
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