上方浮世絵館で摺り体験とランチを楽しむ会その3・摺り体験と鑑賞と丸福珈琲編
7/20(日)開催の上方浮世絵館で摺り体験とランチを楽しむ会のその3、完結編です。(その1はこちら、その2はこちら)
モダンで可愛い外観の上方浮世絵館
法善寺の斜め向かいに上方浮世絵館があります。
クリーム色の壁に大きなオブジェとポスターが目立ってます。
入り口では可愛い猫がお出迎え。まつげエクステしてるんでしょうか。。
2階、3階が展示室。摺り体験は4階のお部屋で行われます。
浮世絵制作の道具の展示もあります。
鮫の皮は刷毛やブラシの毛先を整えるために使うのだそうです。
こちらは彫るための道具類。
摺るための道具。それぞれたくさん種類があって、プロは使い分けるんですね。
そしていよいよ摺り体験
最初に先生の説明を聴いてから始めます。
1色につき一つの板を使います。中級コースはこの4色。
黒、黄、緑、赤の順に、板に絵具を塗り、刷毛でムラなく伸ばして紙を乗せ、ばれんで摺ることを繰り返します。
一見簡単そうですが、摺るときに紙がずれないように左手で押さえるところが一番緊張しました。
赤の板。色が載るところは少ししかありません。
この上に紙を置いて平らに保ったまま動かさずに摺るのはどきどきしました。
しかもばれんで摺っている間は紙の裏側しか見えないというのがさらに不安をかきたてます。
でも!先生の親切で細かい指導のおかげで、こんなにすてきな作品が出来上がりました!
浮世絵制作の膨大な工程のうち、ほんの少しの部分を体験しただけではありますが、久しぶりに形あるものを作った達成感を味わいました^^
デザインもおしゃれで法善寺に来た記念になります。素材は上質の手すき和紙なので額に入れて飾っても良さそうです。
体験のあとはリラックスして上方浮世絵の鑑賞。
企画展「納涼 夏芝居」の鑑賞
上方浮世絵館は江戸時代の大阪で制作されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は歌舞伎役者を描いたものが多いのが特徴です。
また、テーマは3か月ごとに変わり、6月から9月は「納涼 夏芝居」。まさに今の季節の気分です。
おなじみの「四谷怪談」。昔から夏のお芝居といえば怪談ですよね!尾上菊五郎が「おいわ」役です。
「播州皿屋舗」。これが江戸なら「番町」なのでしょうが、ここは上方。「播州」です。
鱗のような雲を漂うゴージャスな装いの天女。これがホラーの皿屋敷?と疑わしくなりますが、「お菊の霊」なのだそうです。成仏したということでしょうか。。。
「夏祭浪花鑑」。かっこよく見得をきっています。
背景の格子柄が斬新でおしゃれ!明るい色彩で雰囲気を華やかに盛り上げてます。役者たちの表情が豊かでそれぞれ特徴が描き分けられているのが面白い漫画のようです。
こちらは「ねりもの」。赤をメインに派手で奇抜な服装の女性たち。彼女たちは遊郭の女性たちです。
遊郭も他の多くの商いと同様、夏場は客足が遠のく季節だったので、遊女たちが様々な仮装をして練り歩くイベントが行われました。それが「ねりもの」です。
言い換えると仮装行列、コスプレイベントのようなものでしょうか?
仮装した遊女たちを見ようと、たくさんの人が集まり、その様子が浮世絵に描かれたということです。
夏祭りと言っても内容は様々、当時の上方の人たちの暮らしぶりが見えてくるのも興味深いです。
摺り体験をしてから見るともっと面白い
それともう一つ!摺り体験をしてから見ると、絵の見方が変わるのが新しい発見でした。こんな細かいところも綺麗に仕上げてるんだ!とか、ここはちょっと変かも・・・?とか。
摺り体験する前にひと通り見て、体験後にじっくり見直すとさらに面白いと思います。
丸福珈琲本店で休憩
上方浮世絵館で充実したひと時を過ごしたあとは丸福珈琲店の千日前本店に行きました。
こちらもまた歴史ある老舗で、田辺聖子さんの小説の舞台にもなっています。
お店の雰囲気そのままの、重厚な味わいの珈琲をいただきました。
丸福珈琲店のカップとソーサーは宮内庁御用達でもある大倉陶園製です。
最後にゆっくりと珈琲を味わいながら一休みしました。
・はり重、浮世小路、法善寺界隈は初めて来たので、今まで知らないお店や場所を知ることができてよかった。
・摺り体験は緊張したが面白かった。完成品を持って帰れるのが良い。
というご感想をいただきました。
お食事、まち歩き、浮世絵鑑賞と摺り体験と、盛りだくさんにレトロで情趣に溢れる大阪を堪能した1日、私も楽しかったです。
ご参加くださった方、上方浮世絵館様、はり重様、ありがとうございました!