「歴史でわかる科学入門」の「第5章 ”知者たちのマエストロ”ーアリストテレス」まとめ
古代ギリシャの学者たちの中でも特に有名なアリストテレスについての章です。
「第5章 ”知者たちのマエストロ”ーアリストテレス」 の要約
1.アリストテレスについて
・紀元前348年ギリシャに生まれる。17歳ごろにプラトンが開いたアカデメイアに学び、研究生活を送った。
・紀元前343年に、マケドニアの王子アレクサンドロス三世の家庭教師になる。
・師であるプラトンの哲学的な問いかけに対し、科学的、論理的な方法で答えを導き出そうとした。
→自然哲学者のこと 現代では科学者と呼ばれる。
・地球と地球上の生物、地球を取り巻く天体についての彼の見方は1500年以上にわたって西洋の考え方に影響を与えた。
2. アリストテレスの科学について
・大きく3つに分けることができる。まず、人間を含めた動植物が存在する生物界。次に、変化や動きの本質。最後に天空の構造。
・自分を取り巻くあらゆるものとそれらの変化や動きを観察し、得られた結果に基づいて「なぜそうなのか」「原因は何か」を解き明かそうと試みた。
・その結果、宇宙全体を通して、全ての物事の原因となるものが存在するはずだと主張するに至った。
その存在を多くの宗教では「神」と呼ぶ。
第5章まとめと感想
・学問が現代のように哲学、科学、宗教などに分かれる前の古代に生きたアリストテレスは、自らの自然に対する好奇心と興味から、この世の真理を論理的に解き明かそうとした。
・ジャンルを超えた普遍的な世界観を打ち立て、科学者としてだけではなく、哲学者・思想家として称賛され続け、2000年の長きにわたり科学を支配した。
*感想
どんなジャンルの学問でも、始まりの時の人間の思いは「この世の真理を知りたい、解き明かしたい」ではなかろうか。
解き明かす方法が色々あり、その種類によって時とともに少しずつ分化していったのだろう。
アリストテレスはまだ分化する前の人だから、より多くの人々に影響を与えることができたのだと思う。
参考文献 「歴史でわかる科学入門」(ウィリアム・F・バイナム著 藤井美佐子訳 太田出版)
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