「歴史でわかる科学入門」の「第3章 原子と空虚」まとめ
この章からいよいよヨーロッパ文化の源流、古代ギリシャ時代です。何人かの偉人とその功績を紹介しています。
「第3章 原子と空虚」 の要約
1. タレス(前625頃ー前545頃)
・古代の偉大な思想家のひとり。商人、天文学者、数学者だった。
・エジプトを訪れ、エジプト数学の知識をギリシャに持ち帰ったといわれる。
・万物の根源は水であり、地球が広大な海に浮かぶ円盤だと考えた。
2. エンペドクレス(前500頃ー前430)
・万物が空気(風)、土、火、水の4つの元素からなると考えた。(この説は中世の終わりまで思想家にとって前提的なものとなった)
3. デモクリトス(紀元前420年頃活躍)
・世界が「原子」と呼ばれる、これ以上細かく分割することができないごく小さな粒子で構成されているという説を展開した原子論の先駆者。
・この世に実際にあるのは「原子と空虚」(現代人の言う「物質と空間」)だけだと主張した。
4. ルクレティウス(前100頃ー前55頃)
・古代ローマ時代の原子論者。科学の内容を詩で表現した「物の本質について」を著した。
5. アリストテレス(詳しくは第5章で取り上げる)
・古代ギリシャの科学者たちの中でも最も傑出した人物のひとり。
・彼の自然観は彼の没後も長らく世の中の主流となった。
6. ユークリッド(前330頃ー前260頃)
・幾何学の基本的な仮定や原理、方法を書物にまとめた最初の人物。
・彼の著作「原論」はヨーロッパ中で学ばれた。
7. エラトステネス(前284頃ー前192頃)
・幾何学を利用して地球の外周の長さを割り出した。
・重要なのは、彼が地球を球体だと考えていたということ。
8. クラウディオス・プトレマイオス(100頃ー178頃)
・ギリシャの天文学者たちによる観察結果をまとめ、それをさらに発展させて「アルマゲスト」を著した。
・地球が宇宙の中心にあり、太陽、月、惑星、恒星がその周囲を回転していると想定した。
第3章まとめと感想
・古代ギリシャ人、ローマ人の学者たちは、自然の不思議な現象を、理論的な法則や真理をみつけて解き明かそうとした。
・自然現象は「人間にははかりしれない神の力」と捉えていた時代から、より「科学的」な考え方が芽生えて発展していった時代へと変わっていったんだなと思います。
参考文献 「歴史でわかる科学入門」(ウィリアム・F・バイナム著 藤井美佐子訳 太田出版)
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