ザッハートルテ

ザッハートルテを作りました。
ウィーン銘菓として知られている、あこがれのチョコレートケーキです。
エコール辻東京の先生が教える本「お菓子の学校 チョコレートのお菓子」に載っているレシピだと作れそうな気がしたので試してみました。
こちらが断面です。生クリームをホイップして添えました。
中身のチョコレートケーキはパウンドケーキのような生地に溶かしたチョコレートを混ぜているので、しっとりして濃厚なチョコ味がします。
上からたっぷりのあんずジャムをかけてケーキを覆い、さらにチョコレートの糖衣でコーティングしました。
このチョコレートの糖衣はザッハー・グラズールと呼ばれます。
温かいうちは粘って飴のようでしたが、冷めるとシャリシャリした食感になり、しっとりしたケーキとよく合います。
また、こくのあるチョコレートと甘酸っぱいあんずジャムの組み合わせも気に入りました。
ケーキがかなり甘いので、添える生クリームは砂糖なしがいいですね。
シンプルなケーキですがとても贅沢な気分を味わえました。
ところでこのザッハートルテ、19世紀のオーストリアの王政時代、宰相メッテルニヒのためにフランツ・ザッハーが創り出しました。
メッテルニヒの肖像 1810年代後半
メッテルニヒといえばナポレオン戦争の後のウィーン会議を主宰した人です。
ウィーン会議(1814-15年)
フランツ・ザッハーは1816年生まれなので、ザッハー・トルテが生まれたのもウィーン会議より後ということのようです。
その後このケーキは世界的に有名になり、現在21世紀の日本人にまで親しまれています。
そんな銘菓を創り出したザッハーは料理人なので当然味覚は優れているでしょうが、指示をしたメッテルニヒも相当な美食家だったのではないでしょうか。
そんな遠い昔、遠い国のことを思いながら食べて味わう楽しみ。
歴史のあるお菓子ならではだと思います。
今回参考にした本「お菓子の学校」エコール辻の先生のコツがわかりやすく説明されていて、お菓子作り初心の人にはおすすめの本ですが、現在は紙の書籍は絶版で、Kindle版が購入できるようです。