ヘロンの蒸気機関の実験
先日、イギリスの画家ターナーの「雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道」と蒸気機関についてブログ記事を書きました(記事はその1とその2があります。)
書いてる間に自分の目でぜひ!確かめたくなり、いろいろ調べて身近な道具で実験することにしました。家にいる時間はたっぷりありますし♪
お手本は古代ギリシャから
とはいえ、簡単なことしかできないので、ヘロンの蒸気機関(のようなもの)を目標にしました。
半球の脚付きの容器の中に水を入れ、下から加熱します。
すると蒸気が管を通って上の球に入り、両側の細い管から蒸気を出しながらくるくると回転するというものです。
ヘロンは古代ギリシャの科学者です。紀元前1世紀のギリシャ人の知恵を21世紀の日本の片隅で再現する。ロマンですな。
実験の準備
用意したものはこちらです。
左がアルミ、右がスチールの缶です。
左のアルミ缶は蓋を開けて中身を出し、蓋の真ん中に穴を開けて紐を通して上から吊るせるようにします。
穴の隙間はブルタックという粘着ラバーでおおいます。
そして側面に2箇所、中心を通って水平に向かい合う位置に穴を開けます。
穴が側面に対して垂直ではなく、横向きに空いているのがわかるでしょうか。
こうしておくと蒸気が穴から左から右へと吹き出し、缶は時計回りにくるくると回るはず!です。
右のスチール缶はプルタブを開けず、輪っかを作った紐を通します。
アルミ缶と同じように側面に穴を開け、そこから液体を出します。
その後、どちらも少量の水を入れておきます。
実験開始
ガスコンロで下から加熱します。
実はこの前に電磁調理器でも加熱してみました。
初めてする事ですし、突沸が怖かったのでガスの炎を使うのは避けたかったのです。
が、蒸気は出たものの、回転はせず、パワー不足に思われました。
で、ちょっとどきどきしながらガス火に挑戦です。
アルミ缶の結果
実際にはこの前に1分ぐらい加熱しています。
予想通り、静かだったのがいきなり恐ろしい勢いでプシュー!!!と吹き出して怖かったです。
この実験は要注意!!!!です。
スチール缶の結果
こちらも前の方はカットしています。アルミと比べると激しさはましでしたが、怖いので回転速度が上がり始めてすぐに火から離しました。
感想
道具も方法もごくシンプルな実験ですが、うまくいかないと「なぜだろう?」と原因を考えてとても悩みました。
あと、ガスの火を使うのは危険なのでそれも神経を使います。
それでも、苦労した分、古代ギリシャの人たちも同じだったのかなと思うと楽しくなります。
この装置を初めて考えて、実験して、うまくいった人は嬉しかっただろうな。。
ロマンですね^^