光とは何か(3)
今日は「光とは何か」の3回目ですが、
「分光分布」について説明したいと思います。
前回は、光(可視光)とは波長380nm~780nmの電磁波であり、
波長が380nmの短い方から780nmの長い方にかけて、
青紫→青→緑→黄(黄)→橙→赤とグラデーションで変化していくことを
お話ししました。
そして、これは雨上がりの虹の配色でもあります。
虹の色はなぜ見えるのかというと、詳しいことは省きますが、
太陽の光が空気中の細かい水滴によって、
波長ごとに分けられた結果、見えるのです。
ですから、太陽の光は一般に色を感じない光(=ほぼ白色)ですが、
その中身は人間が眼に見える380nm~780nmまでの電磁波を
全部含んでいるということがわかります。
このことをプリズムという物を使って実験して確かめたのがニュートンです。
プリズムはこんなものです。
無色透明の三角柱です。
プリズムを使ったりして、光を波長ごとに分けることを「分光」といいます。
それから、ある光がどんな波長成分を含んでいるかをグラフで表したものを
「分光分布」といいます。
これは太陽の光の分光分布をおおまかに描いてみたものです。
このグラフの横軸は 「波長」で、左端は380nm、右端は780nmです。
本当は太陽光はこの範囲以外の波長成分も含んでいますが、
それは人間の眼には見えない電磁波なので、
色に関する問題を考えるときには省略されます。
それから縦軸は光の強さです。
この分光分布を見ると、
太陽光は波長380nmから780nmの光を
連続してほぼまんべんなく含んでいることがわかります。
それからこちらは白熱電球の分光分布を描いてみた物です。
波長が短い(=短波長という)側の光が弱く、
波長が長い(=長波長という)側にかけて
ぐんと強くなっています。
このグラフを見ると、
白熱電球は長波長=赤みの光を多く含むので、
オレンジがかった色をしているということがわかります。
また、波長380nmから780nmの光を
連続してほぼまんべんなく含んでいる光は
太陽光のように色みを感じない白色光に見えます。
このように、分光分布をみると、
その光がどんな波長の光を含むかということ、
どんな色の光かということがわかります。
次回は光が物体と出会ったときどうなるかを
お話しします。
【色を見るための三つの要素の記事】