細見美術館「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展
京都での仕事の帰りに
細見美術館「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」を
見てまいりました。
繊細でエレガントな、そして形も図案も複雑で多様な器が
盛りだくさんで、目の保養になります。
アールヌーヴォーというと言葉自体フランス語だし、
おフランスのものがほとんどなのかと思いがちですが、
そうではありません。。
今回の展示ではフランスのセーヴルだけではなく、
ドイツのマイセンやデンマークのロイヤルコペンハーゲンなど、
いろんな国の有名な窯の作品も見られます。
それぞれに特徴と独自の工夫があるのが素晴らしいのはもちろんですが、
そこに日本の柿右衛門などの影響もあるのが面白い。
また、同時期に日本でアールヌーヴォーの器を研究して制作した、
宮川香山や板谷波山の作品もあり、
「ここでお会いできましたね♪」という気分になりました。
絵葉書の上はロールストランドの釉下彩の皿。
板谷波山がこの釉下彩を研究して、
すりガラスのような独自の「葆光釉」を創案しました。
下はロイヤルコペンハーゲンの結晶釉白熊トレイ。
結晶釉の模様がそのまま氷のように見えて、
材料とデザインが見事に一体化しています。
ヨーロッパ各地のアール・ヌーヴォーの展示だけでなく、
日本とのつながりがよくわかったのが楽しかったです。