細見美術館「鈴木其一」展
京都での講座のお仕事の後、細見美術館で「鈴木其一」展を見ました。
鈴木其一の作品は、酒井抱一展の時など
いくつか見たことはあったはずなのですが、
今回、どの絵を見ても、「こんな絵初めて!」
とワクワクする楽しさを感じるのに驚きました。
主題や技法など、決して奇抜ではないのですが…。
表現する技術が素晴らしいのと同時に、
アイディアとか機知に富んだ絵、だと思います。
そしてそれは江戸末期の、明治を予感させる、
時代の変わり目を生きた画家ならではの
ものなのでしょう。
それからもう一つ、絵に描かれている人物の表情が
とても多彩で面白く、分かりやすいのです。
「三十六歌仙屏風」(部分)
絵葉書の画像だと表情が分かりにくいですね。。
是非、実物を見ていただきたいです。
それから、人間以外の生物もとてもリアルで、
特に動物は元気で可愛く微笑ましいです。
上「白椿に楽茶碗図」
楽茶碗と椿の花と葉の質感の対比が素晴らしい。
東洋画の古典的な没骨技法を極めると、
西洋画のような立体感と趣が出るのだな
と思いました。
下:「富士千鳥筑波白鷺図屏風」右隻
こちらの千鳥は一羽ずつ表情が違っていて
みんな生き生きとして可愛らしいです。
また、富士山の白と青が均一に塗られていて、
まさに浮世絵!
版画のように肉筆で描く、
というのが斬新で面白いです。
色遣いも明快で、
見ているととても晴れやかな気持ちになります。
他にも、今見ても新鮮で面白く感じる作品が
たくさんあり、美を堪能できました(^^)